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ヒルズ動物看護セミナー2014 行動を理解して猫にやさしい動物看護師になろう!

ヒルズ主催の動物看護セミナー 

  『行動を理解して猫にやさしい動物看護師になろう!』について以下にまとめます。

 

 ●猫は一人がすきな動物?

  実は社会性を持ちグループで暮らし互いにコミュニケーションをとっている。

  祖先は一人で生活しており社会性は無かったが、イエネコになってからはグループで暮らすようになった。

  (資源(ごはん)がなくなってくると祖先のヤマネコの行動のように単独で過ごす。)

  

      基本的に喧嘩はエネルギーを使うので避けるようにしている。そのため表情やしぐさを見極めることが大切。

    …前を向く→興味を持つ・横を向く→優位・伏せる→怖い

    …身体に沿わす→怖い・上に持ち上げる→恐怖から攻撃

 

 ●猫が仲良しの行動

  ・首から上を舐め合う(自分でグルーミングできない場所

    首から下は自分でグルーミング出来るためあまり撫でられたくない子もいる。

  ・くっついて寝る

  ・体をすり寄せあう

    マーキングと考えられていたが、最近では挨拶ではないかと言われている。

    また、尾を上げて絡ませる行動も挨拶と考えられている。

 

 ●猫の性格はどこから来るのか

  ・猫の性格は氏か育ちか?

   →生まれる時の問題

    ・父親が穏やかだと子猫も穏やかな確立が高い

    ・母親の栄養状態の影響

     →栄養が不足していると脳内ホルモンに影響が出て発達遅延や情緒不安定になることがある。また、早期離乳でも

      同じく発達遅延に繫がる。

  ※4週齢あたりから親が獲物を持って帰るようになり、この時期に与えられた味を好むようになる。

 

   →育つ環境

    ・母猫の影響

    ・人との接触やしつけ(2~7週齢)

    ・社会化

 

 ●猫の住環境:トイレ

  1.トイレの大きさ

   最低でも猫の長さの1.5倍の大きさ

    猫はかなり大きな面積を使って排泄をするため、トイレが狭い場合ベッドやソファなど広い所で排泄してしまう子もいる。

  2.トイレのカバー(蓋)

   蓋や囲いのないものがよい。

    臭いをこもらせてしまい、また動きを制限してしまう。

  3.砂の種類

   砂の粒は細かい方を好む子が多く、粒が細かくて固まるタイプの方がよいという論文もある。

  4.トイレの場所

   生活の中心エリアからそんなに離れず、音がする電化製品などがない場所。多少の光が入るところが良い。

  5.トイレの数

   一頭につきできれば二つ

    猫によっては清潔なトイレしか使わなかったり、糞と尿を違う場所で行う子もいる。

    (ストレス、排尿トラブルを和らげる。)

  6.トイレに問題があるかどうか見極めるには

   ・トイレの淵に立つ

   ・短時間しかトイレにいない(掘ったり埋めたりしない)

   ・トイレから飛び出してくる

   ・トイレの後、足を振る

 

    他の場所に排泄しても、わざと困らせようとしてやっている訳ではないので、絶対に叱らないこと。

    粗相をした場所には酵素系のクリーナーを使用し柑橘系の香りをつけておくとよい。

  

 

 ●寝る場所

  飼育環境下にある猫は1日10時間位寝ている。

   うとうとはご飯のスケジュールによって違って見える行動。ご飯の回数が多いと、うとうとをよりするようになる。

   一般的に柔らかいところに寝るのが好きで、隠れて寝たい時もある。できればベッドを複数用意してあげるとよい。

 

 ●遊び

  積極的に遊んでいるのは1日のうち約1~2時程度

  (日中の方が夜間より活動的。夜明け頃や日の落ちる頃に活発ではあるが夜行性ではない。)

  !室内飼育の猫は野生の猫の狩りの時間にあたる1日のうち1時間ほどを遊びに充ててあげるだけで

   攻撃行動を減らすことができる。

 

   猫が自分で遊べるような工夫を設けるとよい。

   紐を垂れ下げておくなど簡単に取り外しができるものを時々行うだけでもストレス発散となる。

 

  ●爪とぎ 

  爪とぎは爪の管理、マーキングを行っていると言われている。

  →マーキングのための爪とぎとは一般的には指間腺を付けているが、爪とぎの大きさで誇示しているとも考えられている。

  爪とぎは猫によって好きな素材や好きな方向もある。

  

  してほしくないところでの爪とぎを防ぐには…

   場所:好みの場所ならば爪とぎの設置を工夫する

   ・それでも爪とぎを行う場合は、アルミホイルや両面テープを設置して嫌な場所にする。そばにはお気に入りの

    爪とぎを設置するとよい。

    重要なのは叱らないこと。

 

 ●病院でのストレスを軽減させるには

  ・保定

   強引にしないのが一番。猫は入っているキャリーバックから無理矢理出されるのもストレスを感じている。

      なるべくならケージは蓋が取れるものがよいが、蓋が取れるタイプなどは移動中にケージ内で暴れることで破壊し

     逃げてしまう恐れもあるので注意が必要。

         (洗濯ネットに入れてからケージにいれる、ケージをガムテープや紐で補強する、などなど)

 

  ・同居猫がいる場合の退院後のアドバイス

   同居猫が病院の臭いを嫌がり喧嘩に発展するケースがあるため帰宅した際にはすぐに解き放つのではなく

   少しずつ面会させるとよい。

    また、新しい子を家に迎える場合にもこのように少しずつ慣れさせていくとがおすすめ。

      (まずは匂いがついたものを置いておき、存在をあらかじめ教えておくなどから始めていく、などなど)

  

                                                                                                                                                   AHT:塚田